協和エクシオの株価

2012年11月2日

（質問）

協和エクシオですが、第2四半期を発表したとたんに、大幅に下げましたが、この下げは、どう考えたらいいのですか？売りの時期はどういうスタンスでいけばいいか教えていただけないでしょうか？

（回答）

ご質問ありがとうございます。
改めて申しておきますが、アナリストにとって質問はとてもありがたいのです。
質問をされると、少なくとも自分以外のマーケット参加者の一人がどう感じているかがわかりますので、
株価を考えたり、銘柄を選択したりするヒントになります。
ときどき、ニュースを見逃していたりして、質問で初めて気が付くなどということもあります。


さて、協和エクシオですが10月29日に上期決算の増額修正を公表しました。
そこで、会員向けにレポートを作成しました。
http://cherry100.mods.jp/club/follow/19512012-pre2Q.pdf


このレポートにもありますように、実は日経が8月末に観測記事を書いています。
そのときの会員向けメールです。

（抜粋）
さて、先週末の日経では協和エクシオ（1951）に業績上振れ余地とありました。
同様にコムシスホールディングス（1721）も取り上げられていました。
改めてドコモの設備投資が想定を上回りそうなことが評価されています。
必ずしも市場で無視されている株というわけではありませんが、
久しぶりの相場ですので、意外に上値は高いのではないかと思います。
その辺りに関してはすでにレポートで取り上げています。
参考レポート：http://cherry100.mods.jp/club/month/19512012-07.pdf
（抜粋：終了）

この時は840円くらいで、その後930円までありました。


しかし、実は前期決算発表時点である程度読めていたという面があります。
http://cherry100.mods.jp/club/follow/19512011-4Q.pdf
この時点の株価は700円強です。


そして、第1四半期決算で、ほぼ上期の増額修正は確定的になり、
http://cherry100.mods.jp/club/follow/19512012-1Q.pdf


そして、上で述べた日経観測記事という段取りです。


つまり、今回は一応、材料出尽くしと解釈されます。
翌30日に寄り付き15円高で、引け37円安でした。
まさに、典型的材料出尽くしっぽい動きです。
特に今回は決算発表前に上期決算だけ増額修正して、通期に関しては、
「なお、通期の連結業績予想につきましては、現時点での変更はありません。」
とあります。


ここがややミソです。
つまり、この時点までで上期増額修正は織り込まれていて、
次には通期の数字がどこまで行くのかという期待がありました。
しかし、とりあえず「現時点」とありまして、はぐらかされた感じです。


これも完ぺきには読めませんが、「現時点」の意味が、10月29日のことなのか、
はたまた11月6日に予定されている上期決算発表も含むかがあやふやな表現になっています。



親切な表現であれば、通期に関しては修正があれば第2四半期決算発表時に発表する、
みたいな感じだと心配もしないのですが、「現時点」というところに、
あれ？上期は増額しないの？という心配が見えます。


ただし、私はいくらなんでも上期決算発表時には増額修正するだろうとは、考えています。



ただし、たまたま30日はそうなったという面もあるかと思います。
この日は朝高で、その後相場は下げています。
全般的に下がったのですが、特に内需系は大きく下げています。


ということで、今後の株価は、上期決算発表時に通期を増額修正するかしないか、
増額修正するとしたらどこまでするか？
また、同時に発表される9月の月次受注はどうか？ということが焦点かと思います。



それらを踏まえた上で、依然、ドコモ向けの通信設備の受注は増加する可能性が高く、
前年の業績水準が第4四半期までは極端に低いので、大幅増益が続くでしょう。
よって、春先くらいまではじっくり持っていいのではないでしょうか。
ネット株と違って、株価もそれほど乱高下もしないでしょうから。