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年明け以降も一向に相場が弱くなる気配がありません。金融緩和による金融相場には限度がありますから、景気回復による企業業績の回復が次の変化としては必要です。しかし、それは先の話。しかも、その企業業績の回復は公共投資が増えて、その恩恵を被る企業の業績が良くなっても、実感できるものではありません。円安による輸出企業の業績回復もまたしかりです。
それらの企業は先行きを考えれば、なかなか本格的な設備投資や雇用拡大には踏み切らないからです。やはり、新しい産業が出てこられるような、規制緩和や産業振興が必要になります。
しかし、そういった話は選挙を考えるとなかなか進めにくいもの。その結果、夏の参院選まではそれらの話は出てこないことになります。いくらなんでもこれだけ上昇ピッチが速いと、そこまで持つのかという疑念がわき上がります。
国内にいると、どうしても周りの雰囲気で疑ってしまいますが、外人はおかまいなしに買ってきます。ところが彼らはドライですから、無理だと思ったとたんに売ってきます。今やまさにチキンレースの様相を呈しています。
すでに持っている株を保有し続けるというのが本当はいいのかもしれませんが、悩んでいる人は株価上昇で売ってしまった人や買っていない人。
当コラムの銘柄も当然と言えば、当然ですが、軒並み上昇しています。直近で見てもプリマハム(2281)、伊藤園優先株(2593)、サンマルク(3395)、コスモス薬品(3349)、物語コーポレーション(3097)などなど。
株式投資は上昇局面では大方の人が儲かります。しかし、いつかは調整します。その時にやられてすべて儲けが吹っ飛ぶというのが常です。そこで、いかにリスクを回避しつつ、株価上昇を狙うかということになります。
それを回避するいくつかの方法はあります。ここでは、バリュエーションでスクリーニングをして、景気が回復しようが、しまいが、半年、1年先には利益水準が大きく上がっている株という条件で、さくらインターネット(3778)に注目してみたいと思います。
同社はデータセンター事業者です。データセンター事業者とはインターネットなどのデータを保存するサーバを持ち、必要な企業にサーバを貸したり、サーバを使ってクラウドなどのサービスを提供します。
データセンター事業者の業績は設備投資で大きくぶれます。設備投資をすると一旦業績が大きく落ち込み、そこから売上の拡大に伴って業績が急拡大し、稼働率がMAXを迎えると利益率が高水準に達しますが、再び投資が必要になって、業績が大きく落ち込みます。以前ほどではありませんが、今もこのような業績変動パターンになります。
同社の場合、2011年11月から新データセンターが稼働したため、費用が発生し始める稼働直前の2011年度第2四半期から利益が大きく落ち込み、2012年度第2四半期までは前年同期比ベースで二ケタの営業減益でした。先ごろ発表された2012年度第3四半期決算の3ヵ月でようやく増益に転じています。ただし、9ヵ月の累計で見ると、依然二ケタ近い減益ですから、良くは見えません。
これがデータセンター事業者に特有の業績変動パターンになります。今後は売上の増加に伴って、利益率が上昇するパターンです。
決算発表日にどういうわけか急騰し、翌日には上昇分を上回って下落しました。出来高もむしろ翌日の方が多いので、目先筋は投げ終わったと思われます。四半期ごとの業績は着実に回復し始めていますので、少し長めのスタンスで大幅なリターンを狙うという投資方法がベストでしょう。
なお、データセンター事業者の業績と株価の変動パターン、投資タイミングはこちらのレポートで詳細に分析しています。
http://cherry100.mods.jp/ra/s/586
また、第3四半期決算の内容はこちらで解説しています。
http://cherry100.blog108.fc2.com/blog-entry-752.html