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第3四半期に海外が黒字に転換したアリアケジャパン(2815)

投稿:2013/02/08 20:16
注目銘柄・企業情報 配信元:みんかぶマガジン 著者:有賀 泰夫

株式市場の勢いが止まりません。利食ってしまったものの、何を買えばいいのか多くの人が迷っています。円安銘柄も勢いよく上がってしまって、あとから追いかけるのも思わず腰が引けてしまう。

そこで、今回は円安がプラスになる意外な銘柄を紹介します。アリアケジャパン(2815)です。アリアケジャパンは調味料メーカーですが、世界で唯一とも言える製造技術を持っています。それは、天然調味料を完全自動で作る技術です。天然調味料の原料は家畜の骨ですが、そのような不定形固形物は自動化になじまず、ほとんどの企業は工程に多くの手作業を要しています。

しかし、同社ではすべて自動で行うことにより、圧倒的なコスト競争力を持っています。しかも、コンピュータで管理することにより、製品の均一性が保たれますから、製品クオリティの面でも群を抜いています。

今や国内の多くの外食、加工食品メーカー、中食など食に関する産業に普及しています。そこで、2000年代央より本格的に欧州市場に進出しました。しかし、おりしもの金融不況もあって黒字化に手間取っていました。

その間に、原料調達目的でそれ以前に進出していた米国、アジアでの現地市場が拡大し、いよいよ海外トータルでは黒字化を成し遂げています。

海外子会社が赤字ですと、円安はマイナスに作用しますが、黒字転換すれば、プラスに効いてきます。2013年度第2四半期までは子会社計で赤字だったのですが、いよいよ第3四半期決算で黒字に転換してきました。

ここ数年、国内市場のさらなるシェアアップで2期連続30%の営業増益を達成しています。今期も第3四半期までの累計で21.3%営業増益ですので、会社計画の18.0%営業増益は十分達成可能でしょう。

前期までは国内が成長のけん引役でしたが、今年度の第2四半期から海外の増益寄与率が高まってきました。第2四半期は赤字の縮小という形でしたが、第3四半期には黒字化し、増益への寄与度も大きくなっています。

同社の成長性は市場でもある程度知られていますので、去年も比較的高めのPERで評価されていました。しかし、去年、自社の調味料を使った株主優待を廃止し、個人株主の失望を買ったため、株価が下落し、戻りも弱かったため、これだけの相場で去年の高値を更新していません。

株主優待を廃止したことはネガティブですが、金額換算で優待以上の増配を決めています。特に機関投資家にとっては、優待より増配の方が圧倒的にメリットが大きく、業績の方向性が確認できれば、投資に前向きな投資家も増えることでしょう。それが、この第3四半期の待ちに待った海外の黒字化ではないでしょうか。

なお、業績の細かい数字などはこちらからご覧ください。
http://cherry100.blog108.fc2.com/blog-entry-765.html

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