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株式市場もどうやら落ち着きを見せ始めたようで、個々の銘柄の材料を吟味して売り買いする余裕も見られるようになってきました。あくまでも、油断は禁物ですが、今回のバブル相場も第2ステージに入った感もあります。つまり、金融相場から徐々に業績相場の色彩が強まる傾向が見られるという意味です。
今回は海外の景気は必ずしもバラ色という感じではなく、むしろ内需拡大による国内の景気の回復に注目したいと思います。ここにきて株式市場はピークから大きく調整したとは言うものの、依然昨秋のボトムからは50%以上上の水準にあります。
そこで、個人、企業とも株価上昇による恩恵があります。また円安によって厳しくなる会社もありますが、日本の場合はプラスとなる会社の方が多く、企業からの配当や賞与の増加、またオプションなどによっても所得は増加します。
それらの資産効果、所得効果がまずは狭い範囲で表れていて、百貨店などの高額商品や住宅などが好調です。そして、今後はむしろ夏の賞与支給辺りから広い範囲のやや贅沢消費的な部分にその効果が表れてくるのではないかと考えられます。
ただし、地域などによる偏りはあると思いますので、それらの効果が速めに出そうな都市部に店舗が多い企業に注目したいと思います。外食産業では東京のターミナル駅中心にやや高級な居酒屋を展開する一六堂(3366)やデパ地下で惣菜店を営むロック・フィールド(2910)、同じく柿安本店(2294)などに注目しています。
一六堂や柿安本店ではまだ売上面で、資産効果、所得効果は確認されていませんので、両者とも3-5月期の決算は厳しいものが予想されます。一足早く回復傾向にあるのがロック・フィールドですが、現時点の回復は市場の好調というよりも、自助努力の部分が大きく、各社とも本格的に内需拡大の恩恵を受けるのはむしろこれからと考えられます。
内需拡大の恩恵は比較的幅広い業種に表れてくると見ていますが、一方で円安によってコストは上昇気味です。一般的に低価格帯で勝負している企業は輸入原材料のウェイトが高いことから、内需拡大の恩恵が利益面では表面化しにくくなっています。その点、前述の3社は国産原料への依存度が高く、内需拡大の恩恵がストレートに出やすい企業です。
なお、直近の2013年4月期決算を発表したロック・フィールドに関しては、こちらから決算フォローのレポートが入手できます。
http://cherry100.mods.jp/ra/s/631